多摩同胞会

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利用者に深い共感をもつ

「本当はつながりをもちたいの」

季刊しんあい64号〔2007年10月15日発行〕より)

2年余りかけてやっと辿り着いたPさんのお城の中は、十数年間捨てられることのなかった新聞紙や生ごみが畳から1m以上堆積していました。四畳半の真ん中が盆地のように凹み、そこで猫のように背を丸めてPさんはニッコリと微笑みました。「お茶を飲みなさい」。どんなに苦労して買い求めたのか、何年ぶりかで迎え入れる客のために飲み物まで用意されていたのです。私はこの時、彼女が決して誰とも繋がりたくないと思っているのではないことが理解できました。新聞紙の小高い丘の上に座っていた私が思い切ってごみ片づけを申し出ると、彼女は意外にも「お願いします」と答えたのでした。

私たち在宅介護支援センターが地域にお伺いすると、長い間生きていく中で何らかの理由で家族と分かれ、たった一人で頑張って生きている方にお会いすることがあります。そんな方が「誰の力も借りずに生き、そして死にたい」とおっしゃった時、私たちは語るべき言葉を持ち合わせていません。しかし、出来ることはあります。ぎゅっと手を握り、そして爪を切って差し上げるのです。時間をかけて、ゆっくり10本の指の爪を切り、皺だらけの手をひろげ、その方の心と同じ様に尖っていた爪をやすりで丸くしている時に、お話を始めてくれたならしめたものです。私がその後Pさんの爪を切ったことは言うまでもありません。 

現在はあさひ苑に入所しているPさんは、今では丸くなった爪を担当の職員に切ってもらっています。(あさひ苑)

 

「しなやかさ」と「たくましさ」

季刊しんあい64号〔2007年10月15日発行〕より)

母子生活支援施設には様々な事情で利用している母子世帯が生活していますが外国籍の方も少なくありません。異国の土地で今まで頼りにしていた夫と突然、何らかの事情で離れ離れとなり、言葉が不自由な中で幼子を抱えて生きていかなければならない。

ましてやオーバースティでは心細さや不安感はいかばかりでしょう。入所当初は様々な悲痛な訴えを聞きます。『日本で子どもと一緒に生活し、安心して子どもを育てたい』と言う思いが彼女らの切なる願いなのです。

その願いを可能にするために、彼女らの母国の支援団体の方々に協力を依頼し、大使館や東京入国管理局など今まで足を踏み入れたことのない世界に、私は彼女らと行動を共にする経験を得ました。それにより日本に入国する側の目線で日本社会を見ることができ、日本人男性と結婚し、その後困難な状況に陥った外国人女性の立場に寄り添うことができました。

彼女らの外国で困難な状況にあっても希望と明るさを失わず生きようとする力強さや粘り強さ、子どもの養育のために言葉、習慣、文化などが異なる社会に懸命に溶け込もうとする「しなやかさ」と「たくましさ」に、私は人間の美しさを見出し、すがすがしい感動を覚えています。(網代ホームきずな)